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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

春隣
見上げる大仏
笑み湛え
(御室 転法輪寺にて)

一月いぬ(京言葉で帰る、去ると言う意味)二月逃げる 三月去るとはよう言い当てた事どすなぁ。
年の初めのこの三か月は何故か早く経ってしまいます。
それは京の暮らしがそうさせるのかもしれまへん。お正月の設えは年末から続き、御鏡餅、門松、門幕、
お花、お飾りさん等々、出すだけ出して、お口に入るもんもいつもと違ごうて、お雑煮、お節料理、
お屠蘇、そうこうする内、七草粥、御鏡開き、小正月でおぜんざい、どんとやき・・・
お飾りさんもすっかり節分に代わり、お客様にお召し上がり頂く丸かぶりのお寿司の段取りや、
お配りするお豆さんの用意・・・。なんやかやしているうちに三月を迎える事に。
ざっとゆうても(言っても)せわしない事どすなあ。
そやそや、慌てもんのうちも(慌て者の私も)今年こそはゆっくりとした時の流れを楽しむと
決めたんやさかい、そうせんとあかんわ。

今月は少しマニアックなお寺さんをご紹介。「京の冬の旅 初公開」どすえ。
身の丈7.5mもある大仏さんは、京では一番大きな仏様、木造の阿弥陀仏如来坐像。
260年前から地元の信仰厚く、御室にあるさかい「御室大仏」と親しまれたはります。
うちだけかもしれへんけど、奈良の大仏さんも鎌倉も大仏さんと言うだけで、対峙したら
懐大きな安心感と包容力、何でも相談しとぉなるような摩訶不思議な気になります。
御室の大仏さんもそうどす。日頃のストレス溜めてる事ぐちゃぐちゃ申し上げ、ほんでハッと
大仏さん見上げたら微笑んだはるし、なんか恥ずかしなって慌てて「南無阿弥陀仏」と唱える。
ふふふ、なぁんか全てお見通しやわ~と、うちも笑えてきます。

他にも見ごたえ仰山あります。江戸時代の釈迦涅槃図も圧巻どす。ここの涅槃図には
猫ちゃんも描かれたはるし、見つけておくれやす。

金閣寺さん、竜安寺さん、仁和寺さんに何度も足を運ばはるお客様は多いけど
転法輪寺は特別公開やさかい是非とも行っておくれやす。

そやそや、きぬかけの道のここら辺にきたら寄らあかんとこあるわ~
金閣寺さんに近いとこやけど<いただき>さん、うちはここの洋食が大好きどす。
京野菜もあるし、今日はハンバーグにしょーっと。大仏さん、笑たはるやろか・・・

弥生 女将

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