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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

かかる汗
伝え繋げる
縄絡み
(祇園祭 鉾建てにて)

今年の7月は殊の外、暑い日々どす。それもその筈、梅雨があんまり早ように終わらはってびっくりどす。毎年祇園祭の宵山(7月16日)くらいにきつい夕立があって、それで梅雨明けするもんやと思てましたけど、えらいあっさり6月末で梅雨は引き上げはったさかい、ええ!!と思ってましたけどその明くる日から酷暑となりました。

いよいようちの大好きな大好きな祇園祭の始まりどす。7月1日の吉符入から31日の疫神社夏越祭までの長いお祭りは八坂神社さんのお祭りどす。観光に来られたお客様は7月17日の前祭りの鉾巡行があんまりにも華やかで美しく「動く美術館」と言われるほどやさかい有名でその一日で終わりやと思たはります。違いますえ~。

歴史はほんまに古く平安時代に行われた『祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)』という行事が元になっています。869年、京をはじめ全国に疫病が流行して当時の国の数に準じて66本の矛(ほこ)を立て、祇園社の神輿を町の真ん中にある神泉苑におくり、強い神様である素戔嗚尊(スサノヲノミコト)様に鎮めてもらおうと悪疫を封じ込んだのがはじまりであると言われています。
そやさかいコロナの時も中止にせずにした方がええと、町衆の意見もようけ(たくさん)聞こえて来ましたけど2020年と2021年は感染拡大を防ぐ為に中止になりました。うちが(私が)うん十年生きている内では初めての中止どした。

そんな歴史を持つ祇園祭は南北朝時代は「山車(だし)」の形になり、その後室町時代には力をつけてきゃはった町衆達が豪華賢覧な懸送品(けそうひん)を飾る様になってきて、現在の形になってきたそうどす。簡単に言うとそんな感じどすけど、今日までにはいろんなことがあったと想像に難くない事どすなぁ。戦争もあったし、火事で焼失したり、それを経てこの大きなお祭りを継承させる事はほんまに京都が一丸にならへんかったら出来しまへん!その意味でもこのお祭りが大好きなんどす。

7月10日を今年は1日前倒しにして9日に鉾建てが始まりました。その情報が流れてくると、うちもなんかソワソワ・・・。ソワソワしても何の役にも立たへのんどすけど。祇園祭はすべてが男仕事。特に鉾立はスペシャリストの登場どす。
いわゆる骨組の櫓(やぐら)はすべて木材どす。それを釘やらを全く使わずに縄だけで13トンもする鉾に作り上げはります。17日の巡行はその鉾に20人ほどのお囃子方が乗らはるし、頑丈に作っとかんとあかしまへん(だめです)。辻回しと言って四条河原町・河原町御池・御池新町と三ケ所も直角に方向を転換しゃはります。その時に縄絡みやと揺れを吸収出来るさかい、こけへんのどす(転倒しないのです)。
暑い暑い日中に、汗かきながら何人もの男の人たちで鉾を組立てていかはる姿は美し過ぎて、年々周辺の人だかりがようけに(多くに)なってると思います。その縄の仕上がりもほんまに綺麗で繊細な形どす。にわかカメラマンもシャッタ―忙しくうちもついついスマホ落としそうになりながら映しています。
蝶・亀・鶴・海老などおめでたい名前がついていますが、縄絡みが終わった後、ほんまにそのものの形に組まれているさかい、びっくりどす。一人前に縄が組めるのは12年ほどかかるそうどす。ご年配の方がやはりお若い方に教えながら編んでいったはりますけど年に1回やさかい継承していかはるのもほんまに難しおすなぁ。力も要るし仕上がりの美しさもあるし・・・。ここにも祇園祭の奥深さが感じられますえ。
年々尋常な暑さと違うさかい、この祇園祭は暑さとの戦いどすけど、そやさかい余計に心も熱うなります。
祇園祭を語りだすと止まらへんさかい、ここらへんでちょっとコーヒーブレイク。
長刀さんから少しだけ東へ歩いて京都大丸さんへ。あぁ~涼しい‼!涼しおすぅ~。
エレベータ―で3階へ。「ハーブス」さんへ直行どす。結構いつも並んだはりますけど席数が多いさかい大丈夫どす。ここのおすすめは、カフェオレと違ごてミルクコーヒーどす。
ホットコーヒーに別添えでミルクをピッチャーで持ってきてくれはります。うちはそれが大好物!!お腹空いてたらパスタ、空いてへんかったらケーキ。いずれにしても食べてる???
ケーキはどこのお店よりも食べ応えありますえ。ふふふ

弥生 女将

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