鉄斎の
秋風抜ける
茶室かな
(富岡鉄斎邸にて)
秋真っ只中の京どす~なぁんて、お伝えしたかったんどすけど今年ばかりは嘘になるさかい、せめて今月の女将のひとりごとだけは「秋」の文字を入れましたえ。朝晩はそれなりに涼しおすけど、日中はほんまにいつまでも「夏」と言っても過言やおまへん。
北陸では元旦の地震の上に先月からの豪雨で二重の被災となり、心よりお見舞い申し上げます。気象災害は年々酷くなる一方どす。天を仰いで呪いたくなる気持ちどすけど、どうか早い復興を祈らずにはいられません。
今月は富岡鉄斎邸をご案内します。
実はこの邸宅は以前からあったんどすけど、文化庁の京都移転の支援事業と京都商工会議所の創立140周年記念と重ねて、鉄斎さんと言うこの京生まれの文人さんのお屋敷を大リノベーションしゃはりました。<文人さん>と一概に言わはりますが、うちはなぁんとなく概略的にしか分からへんのんどす。
とにかく鉄斎さんは京都の三条新町で法衣屋さんの次男さんとして幕末に生まれはりました。
京都はお寺さんが多いさかい昔は法衣屋さんも多かったと思います。神童やったんどすやろなぁ・・ほんまに賢かったんやと思います。儒学・陽明学、国学・神道、仏教等の諸学を広く学びながら同時に南宗画、やまと絵やら(など)をはじめ多様な流派の絵画も独学で学ばはったとか。根本的に頭の中身がうち(私)とは大違いどすわ。うちと比べるなんて鉄斎さんに失礼過ぎますなぁ。(笑)
「万巻の書を読み、万里の道を往く」が座右の銘とか。うちかて昔は本の虫と呼ばれていたんどすけど・・・。
それでほんまに北海道から鹿児島まで全国を旅して各地の景勝を探って、理想の山水を表現しゃはる様になります。ほんで(それで)鉄斎さんの絵画は画壇の巨匠にも評価され、京や大阪の町の人々や青年画家にもその画風が自由闊達で大胆な新しさやさかい人気が出て、国内外で高く評価されるようにならはりました。
明治初期にはうちも毎年詣でる奈良の石上神社(いそのかみじんじゃ)の宮司さんにもならはって古跡の調査と復興にも尽力し、やがて官を辞して市井の画家として生きはります。1924(大正13)年の大晦日に数え年89で亡くならはった鉄斎さんは、今年2024年末で没後100年を迎えるはりました。死して名を遺すとは鉄斎さんの事どすなぁ。京の誇りどす。
今年の4月から<没後100年 富岡鉄斎展>が京都近代美術館であったんどすけど、桜の時期でどうしても行けずとてもとても残念どした。宝塚市の清荒神清澄寺(きよしこうじんせいちょうじ)さんには鉄斎美術館があるさかい、今度ゆっくり寄せてもらうつもりどす。
そんな鉄斎さんどすけど、往年住んだはったお屋敷はほんまに見事なリニューアルをしゃはって、京の匠の技の集結どす。お茶室も、会議室・和室もあってあの世の鉄斎さんも気恥ずかしい思いしたはるのではと思う程の立派な建築どす。余談どすけど、うちとこと(当館と)唯一の共通点は、当館を建てはった藤木工務店さんが、鉄斎邸をリノベーションしゃはりました。ただ、このお屋敷には鉄斎さんの絵画はお軸くらいしかないので、画業の功績を感じるのやったら清荒神さんへ、鉄斎さんのお住いやった空気感を感じるのやったらやっぱりお屋敷へ。
お茶室借りて茶道のお集りをするのもよろしおすし、いろいろなイベントにも貸してくれはるさかい、着物着やはってお茶したり、女子会したりとか・・・。その後のご宿泊は松井本館へどうぞ!
そやそやここはほんまに大好きな<虎屋菓寮 京都一条店>がすぐ近くどす。<御所前という事もあって、とらやさんはいつもいっぱいどす。甘党のうちは寄せてもろたらいつも「お汁粉の小倉汁粉」どす。コーヒが無いのが残念どすけど、お餅も入って小腹空いてるときには「むしやしない」によろしおす。
お腹の虫も収まらはったら、うちとこで使ってるお味噌の<本田味噌さん 本店>もすぐ近くどす。お味噌のスィーツがほんまに美味しおすし京都通のお人さんへのお土産にぴったりどす。
フィナンシェとダックワーズが一押し!この本店と伊勢丹店でしか買えしまへん。。
ああ~なんで京は美味しいもんいっぱいなんどすやろ。猛暑でも夏太りしてしまううちには酷どすえ。ふふふ
富岡鉄斎邸【一般公開】
日 時:2024年10月25日(金)~27日(日)①10時~12時 ②13時~16時
拝観料:無料
富岡鉄斎邸【茶香服(ちゃかぶき)体験のご案内】
開催日:2024年10月9日(水)・10日(木)、11月6日(水)・7日(木)
時間:10:00/13:00/15:00
場所:旧富岡鉄斎邸(文化と産業の交流拠点)
参加費:¥3,800
※松井本館HPのLINK KYOTOからも申し込み可