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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

夕冷えに
こころ醒まして
見る図録
竹内栖鳳展 京セラ美術館にて)

とうとう寄せて頂けました。尊敬すると言うか尊敬しすぎる竹内栖鳳画伯の絵の邂逅。
京都市美術館90周年を記念しゃはっての展覧会どす。松井本館の創業と同年どすなぁ。
うちとこ(私の所)と比べたら怒られそうどすけど、美術館の歴史の幕開けは当時、待ちに待った京都人も多かったやろと思います。うちらの(私たちの)美術好きにはやっぱり好きなジャンルの絵画を纏めて拝見したい気持ちが溢れていて一堂に拝見させてもらえるなぁんてほんまに幸せどすえ。

今回のテーマは「破壊と創世のエネルギー」ほんまにぴったりなタイトルどすなぁ。ほっそりとした気品あるお着物姿の栖鳳画伯からは、考えられないくらいの壮大な力強い絵画に圧倒されます。
二条城の近くのお料理屋さん「亀政」さんの跡取りとして生まれはって、幼少のころから絵がめちゃくちゃ上手やったそうどす。4年ほどご近所の町絵師の土田英林さんに教えてもらわはって、18歳頃は四条派・幸野楳嶺画伯の塾に行かはりました。直ぐに楳嶺の弟子・四天王のひとりと呼ばれはるくらい頭角を現さはったそうどす。もって生まれはった恵まれた才能とそれ以上に師を仰ぎ物凄い努力をしゃはったさかい、第1回<京都青年絵画共進会>で一等賞を受賞。そこからさらに高みを目指し貪欲なまでに進んで行かはる姿は、絵画からも感じられ当時の人をきっと圧倒しゃはったと思います。

その後パリ万博の視察を兼ねて、7か月もヨーロッパに行かはって濃い空気感を感じて帰ってきゃはります。うちやったら7か月も海外行ったら絶対、物見遊山で終わってしまうと自分で分かりますけど、やっぱり後に名を残さはる人は違いますなぁ。他国でやっぱりたくさんの写生もしたはって、ライオン三頭を金屏風に水墨で描いた獅子の絵にはほんまに驚きますえ。120年も経て現在も新鮮にうちらの心をあっさり奪い、躍動する獅子の動きに驚き、よく言われたはりますけどライオンの匂い迄感じる屏風絵どす。

あぁ、順を追って系譜も見ながら拝見させてもらうと、感動で心が熱うなります。
上村松園さんの時は人物画の多さに、ここ迄よく観察しゃはったと、あまりの美しさに心奪われましたけど
ほぼ同時代を画伯としてしかも京都でお互い切磋琢磨しゃはったんでは?と想像してしまいます。
ほんまに前期だけでも見応えあり過ぎやわぁ。ちょっと心覚ましてお茶でも・・・・。
そやそや、今回はエンフューズさんで(1階にあるカフェ)カフェラテ飲みながら図録見まひょ。ガラス張りやし光線が開放的で嬉しおす。

重要文化財の「絵になる最初」は後期に展示やし、やっぱり後期も・・・絶対見に行きたい!!

京セラ美術館
前期10月7日~11月5日
後期11月7日~12月3日

弥生 女将

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