秋澄みて
十二年の
観音様
(六波羅寺 十一面観音様 ご開帳)
あゝこの坂を登るとうちは小学校の時代に戻ります。自転車で割ときつい坂を友達と立ち漕ぎして放課後遊んだ思い出どす。「遠くまで行ったらあかんえ~」と母に注意された事なぁんか、すっかり忘れてそんなに車も通らへんかった松原通りをいつもの3人で競い合って東山通り迄行ってました。
今から思えばこの松原通りは素晴らしいお寺さんがいっぱいあったのに、そんな事何にも思わんと、東山通りからくるりと向き変えて、下り坂をフルスピードで降りてきたもんどす。ああ怖!
途中に六原市場(現・ハッピー六原、60年前の市場が現存!!流石京都どすなぁ。)もあったさかい、途中で駄菓子買おたり楽しおしたえ~。そうそうその六原市場は地元の市場でうちらも、ようお買い物頼まれて昭和のお買い物バッグ持って・・・懐かしおすわぁ。昔はお買い物には皆さんその同んなじバッグを、と言っても紐で編んだような粗末なもんどしたけど、それを持ってお買い物に行きました。今で言うエコバッグどす。そやけど流石高島屋さんには持って行かへんのどすけど。(笑)
今年も、残すところ1か月半どすけど辰年生まれのうちは、辰や龍に関する事にはやっぱり食指が動きます。「十二年に一度の辰年に六波羅蜜寺さんの十一面観音さんのご開帳」と聞けば、じっとしている訳も行かずいつ行けるかソワソワ・・・。当館からは微妙な距離感どすさかい、ちょっと余裕見て拝観時間やいつものあちこち見るうちの癖も考えると3時間は要すると判断。仕事の合間を狙って素晴らしく澄み渡った秋空の日に実現どす!!久しぶりの六波羅さんはぎょうさんの人出どした。やっぱり12年に一度のご開帳やさかい、地元のお人さんも観光のお客様も外国人さんも来たはりました。お厨子を開けてしかも国宝の十一面観音さんを間近かで拝見させて頂ける・・・しかも無料???ちょっとびっくりどす。座って対峙させてもろたんどすけど意外と大きな観音様どした。あぁなんと、穏やかな笑み。なんでも聞いてくりゃはる優しいご様子に衆生の民は果てしなく救いを得る事が出来たんやろなぁと、勝手に逞しく想像して手を合わせました。
そやけどここまで来て素晴らしいお宝見んと帰ったらあきまへんえ。2年前に造らはった令和館にはお宝がいっぱい。もちろん「そうだ京都行こう」で圧巻のインパクトやった空也上人さんに会わずには帰れまへん。
運慶の四男康勝さんが造らはったお上人様は胸の金鼓叩き、右手に撞木(しゅもくと言います。うちらはカネタタキと言ってます)を、左手に鹿の杖を持ち草鞋を履いて今にも動きそうなお上人様。念仏を唱える口から六体の阿弥陀様が出たはるそのお姿は緊迫感が溢れています。「南・無・阿・弥・陀・仏」の六文字の念仏が阿弥陀様のお姿に変って現れたという伝承そのもの。何度見ても引き込まれます。あかんあかん3時間の予定はあっという間に過ぎて行きます。
この六道と言う地は摩訶不思議な土地柄どす。このお話は長いさかい、またいつかに。
どうして京は奥深いのんどすやろか。平安時代や鎌倉時代がそのままに残っているし、しかも遺跡と違ごて修復したり移設したりやらで現存してるさかい、タイムスリップがいとも簡単にそれぞれの頭の中で出来るという事が大きいのどすやろなぁ。と、一人納得どす。
ちょっとタイムオーバーどすけど東山まで坂を上がって、ザ・キョウトのフォトスポットへ。観光ガイドブックに必ずや載ったはる八坂の塔(霊応山 法観禅寺)を東山通りから見たこの景色はもう表現できひんほど京都どす!!八坂の塔の手前でちょっとほっこりしまひょか。うち的には心の中では「パーセントさん」と呼んでますけど本名は「カフェアラビカ」さんどす。シンボルマークは「%」どすえ。テイクアウトが主流どすけど東山店はちょっとだけ座るとこもあるし、うちら(私たち)の年齢には嬉しおす。ここの一押しはカフェラテどす。アートな紋様で出してくれはるラテはお味も最高どす。ほんまは六波羅さんで買うつもりやった辰年ご開帳記念・オリジナル限定販売の茶の香(マールブランシェさんのラングドシャ)が完売してて、それとラテを合わそうと企んでましたけど残念・・。そやけどラテでほっこりまったり・・・・。あぁ3時間は優に超えてしもて、仕事仕事、走って帰らなあかんわ!あぁせわし!ふふふ