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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

年の瀬に
大和の国に
閑求め
(奈良 依水園にて)

京の紅葉も最近は12月でも十分楽しめて、銀杏の黄金色は11月より深い色変りを見せてくりゃはります。
相変わらず、海外からのお客様は多くて錦市場は入れしまへん。どこのラーメン屋さんもいっぱいどす。
オーバーツーリズムと言う言葉も聞きなれて、お人さんでいっぱいやけど、あのコロナ禍を思い出すと辛い辛い毎日やったさかいうちら(私たち)観光業に携わるもんは(者は)有難いと思てますえ。
アッと言う間にお正月やさかい、うちは忙しい毎日を少し抜け出て充電しにちょっとお出かけどす。

京都は幸せな場所。滋賀・大阪・兵庫・奈良とちょっと出かけるだけで旅気分!
いろいろ迷って、今回は鹿に会いに行きました。京都駅から僅か35分で会えますえ。「あおによし」に乗ったら最高どすけど時間が合わへんさかい、京都駅近鉄線で特急ビスタカーで。勿論、指定席は2階どす!!
2階建ての列車と聞くだけでワクワク感も倍増どす。

奈良に近付くと景色がほんまに変わります。車窓からは何となく地平線とまでは言えまへんけど、それに近い広がりが感じられて、益々旅気分どす。大和西大寺駅を済んで車窓右手に朱雀門、左手に大極殿が見えてきますえ。復元したはるし綺麗過ぎどすけどうちは感動してしまいます。そやけど世界遺産の平城宮跡の真ん中を堂々と近鉄電車で走り抜けるなぁんて、ええのやろか?と、いつも思てしまいます。小学校で「鳴くよ鶯 平安京」と、794年に平安京遷都が行われた年号は直ぐに頭に浮かんできますけど、その前は平城京であったことは覚えてますけど・・・すんまへん、年号はうろ覚えどす。奈良のお人さんに怒られると思います。
平安京迄には恭仁京とかへの変遷もあるのどすけど、とにかくうちは平野に忽然と現れる大極殿と朱雀門が好きどす。あゝ奈良に来た!!と思えますさかい。

近鉄奈良駅を降りたら直ぐに鹿さんに会えますえ。無言でスーッと都人の様に静かにお過ごしどす。
鹿を見ながら奈良公園を少し歩いて左方向の若草山を借景に、素晴らしい名勝<依水園>さんがあります。江戸時代に3400坪の広大なこの庭園は裃(かみしも)などに使わはる奈良の晒(さらし)の豪商が持ったはったとか。後方の庭園は若草山がこの庭園内にあるのと違う?と思う程近くに感じられて、美しい造りどすえ。
紅葉はもう終わったはったけど、静かな庭園は人も少なくゆっくりと拝見出来ます。寧楽美術館(ねいらくびじゅつかん)と言う中国の青銅器や日本の茶道具もあり見応えたっぷり。2000点以上の美術品が展示されてます。眼福極まりない時間どすなぁ。そやそや、名勝 依水園の前に吉城川(よしきがわ)を挟んで興福寺塔頭摩尼珠院の跡地に造られた庭園<吉城園>さんも見に行かなあきまへん。と歩いてたら、依水園の出口近くにお食事処と書いた看板が・・・・。「三秀亭」さん。早いお昼を頂いてから来たさかい、お食事はちょっと・・・と、思ってたらあるあるコーヒーと書いたはる!どうぞと優しいお声につられて、お寺さんみたいなとこに上がらせてもらいました。ええ!!さっき見てた素晴らしいお庭が再び!!お庭を見ながらお食事やお茶が楽しめるようになったはります。ちょうど冷え込んで来たさかい、熱いコーヒーは嬉しおす。しかも可愛いチョコレート付き!嬉しいおもてなしにまったり・・・。あゝやっぱり奈良もよろしおすぇ~。ふふふ

弥生 女将

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