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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

祇王寺や
悲恋のもみじ
青に映え
(奥嵯峨 祇王寺にて)

入梅前のこの時期は、ほんまに真夏を思わせる暑い暑い日と、爽やかな風が吹く涼しい日と
入り混じりながら、梅雨へ移行しゃはるなぁと毎年おもてます。
初夏の美しいもみじを<青もみじ>と誰かが名付けはって10年くらい経ちますやろか。
今は季節を代表する季語にならはりましたけど、その美しさはひょっとして紅葉より上回るかも?と思うくらいずっと見ていたくなります。
きっとそれは、青もみじから生まれてくる生命力みたいなもんに惹かれるのかもしれまへんなぁ。

今月は嵐山の喧騒から逃れて奥嵯峨へ行きまひょ。ひっそりとした佇まいの祇王寺は尼寺どす。
平清盛に寵愛された白拍子の祇王さんが、清盛の心変りで追い出され、妹さんの祗女とお母様
共々この尼寺でひっそりと暮らさはりました。
心変りのお相手は加賀から来やはった仏御前。若くて美しい舞の名手に清盛は一目で気に入り
その為に祇王さんを追い出す事に。そやけど仏御前は祇王御前が追い出されはった原因は自分にあると、それはそれで深く悩み尼になって祇王さんとこへ訪ねて行き、この祇王寺で4人で
念仏を唱えて一心に往生を願った・・・と言う悲恋の平家物語。
我儘な清盛に翻弄された、悲しい物語は今も語り継がれ、この綺麗な青もみじ、竹林、一面に広がる朝露含んだ苔が織りなす空間に身を置くと、今は昔 身も心も洗われますえ。

草庵にある<虹の窓>と呼ばれている吉野窓から見る青もみじもよろしおす。
そうやわ。ここには泉仙さんの嵯峨野店があるさかいそこで久しぶりに鉄鉢料理頂きたいわぁ。
精進料理で美味しい上に頂いた器が全て重なるようになったはって、最終ひとつの器になります。
御精進やさかいお肉もお魚もないのに結構お腹も膨れますえ。あぁ~お腹いっぱい・・・。

弥生 女将

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