女将のひとりごと イメージ

女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

白露に
流るる落ち葉
大堰川
(嵐山 福田美術館にて)

暑すぎる晩夏から白露へ・・・あゝ暑ぅ~とついつい言うてしもて、もう一体いつまで夏が続かはるのやろぅ
と、ため息交じりに京の暑さを呪っていても知らんうちに、やっぱり虫の涼やかな音が聞こえてきます。
日本は四季があるさかい季節の移り変わりは古来から大切にしてきゃはりました。衣替えや季節の食材なんかも
そうどすなぁ。そやけど特に京都は季節を愛でるとこやと思います。それは<着倒れ>と称された時代が物語ったはります。着物は特にその季節の象徴を入れ込んだ柄行きや、帯もそうどす。
四季どころかそれをそれぞれ6分割にしゃはって、そやさかい1年を24分割にした二十四節季たるや細かい移り変わりを楽しみ愛でる人々の暮らしがあったんやと思てます。今でこそ9月でもノースリーブのワンピース着たはっても誰もおかしいとは思わはる人はやはりませんけど、着物は暑うても絽から単衣に変わり季節を先取るさかい帯も秋冬もんに変わり、お月さんやススキや萩の柄の帯締めて全身で秋を表します。うぅ~暑い。
<着倒れ>京都はやっぱり辛おすなぁ。

そんな辛抱足りひんうちは(私は)今月は軽々と薄手のワンピースで嵐山へ。さすがに朝晩は涼しくなって
白露の季節。町中から嵐山に行くと緑もおおなって(多くなって)草木は寒暖の差で露を結び、なんとなく
湿気た匂いの中、竹林の小道も久しぶり。そやけど台風の影響で急にきつい風にあおられて飛ばされそうどす。
渡月橋迄歩くときついきつい風で大堰川(おおいがわ)は濁流となって落ち葉もいっぱい。朝は快晴やったのに急に東南アジアのようなスコール、ほんまにどうなってんのやろ。慌てて逃げるように福田美術館へ。特に日本画が好きなうちは美術館の静寂と時間が止まるような感覚が大好きどす。最近は中央に椅子も置かれている美術館も多く、座ってぼんやり好きな絵と対峙するのも幸せどすなぁ。こじんまりした福田美術館は大好きな東山魁夷さんや秋野不矩さん京都の加山又造さんの作品、など好みの作品が多くうちはうっとりどす。

まだ新しい福田美術館は建物もお洒落!しかも渡月橋を眺めながらお茶が出来るカフェも併設。
勿論、いやしんぼのうちは甘いもんも直ぐに見つけてカフェラテと楽しみました。うーむ・・・カフェの前は
斬新なデザインの池、その先に渡月橋。浮かんでいるかのような錯覚を覚える造りに感動どすえ。

久々の嵐山は見所いっぱい。当館からもアクセスよく簡単に行けますえ。

弥生 女将

過去のひとりごと

宿泊予約のご案内

ページトップへ戻る