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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

見えぬ月
輝く萩の
花ひかり
(吉田山荘さん お庭にて)

紫式部は中秋の名月をこよなく愛した作家さんとは知っていますけど、昔から月を題材にした和歌や俳句、小説はほんまに多いなぁと思います。源氏物語もお月さんがよう出てきゃはります。
昔は四季がはっきりしてて、京の暑さは今ほどではないとしてもやはり盆地ならではの蒸し暑さ。十二単を召してお扇子で仰ぎながら「早よ、涼しい秋が来てほしおすなぁ~」と。そして暑い暑い京から逃げて石山寺へ。
夜遊びもない当時は瀬田川に船を浮かべてお月見を。風情がありますなあ。燦燦と照り付ける太陽よりもお月さんの方が情景深くそこから派生するストーリーも果てしなく、さくさくと筆が進まはったのでは・・と勝手に思てます。

そしてうちは何年か前から毎年、お月見だけは欠かさず<吉田山荘>さんへ寄せてもろてます。十五夜の時に催さはる観月会は、今年で42回を迎えはりました。一口に42回と言いますけど継続してきゃはった事に尊敬の念を抱きます。自然に対しての畏敬の念を抱き、感謝と共に祭り、そして共に鑑賞できるお人さんをおもてなししゃはる女将さんの姿勢に憧れています。素晴らしいお庭は勿論、お月見仕様にしたはります。高台にお月見団子を盛り上げて、両サイドには御神酒、手前に子芋と秋の花々をいっぱい籠に活けたはります。うちはそれを見ただけで十五夜お月さん!!と盛り上がってしまいます。

前日が十五夜やったさかい今日は十六夜(いざよい)かなぁと思いながら、お庭から空を見上げましたけどあいにくの曇り空。そういうと雨予報やったなぁと、うち自身納得させてお庭へ下りますとまぁ!見事な萩の花。群れを成して咲く姿は秋そのものどす。夜露が降りててきらきらと輝き、お月さんは出たはらへんのに、萩の花の周りは明るく小さな花弁が光ったはりました。ああ~綺麗どすなぁ。

今回はインディアンフルートとバンブーフルート・出雲笛の演奏者<真砂秀朗>さんがゲストで、お月見と笛・・・ぴったり過ぎて、幽玄の世界にあっさりと身を投じました。初めての海外製の笛は音域も広くてずっと聞いていたい音色どした。
勿論、観月会はお月見懐石が供されますえ。社長さんが作らはるお月見団子は特別美味しくて大好きな粒あんたっぷり!懐石はどれも美味しおすけど、特に名残の鮎は天ぷらで頂き絶品過ぎどすぅ。月より団子のうちどすなぁ。ふふふ

弥生 女将

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