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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

台風の
御金神社
静まりて
(御金上社 みかねじんじゃにて)

あゝ熱風の日々からとうとう迷走の台風へと、日本全国どこもかしこも振り回されてますえ。
やっぱり祇園祭からそのまま京は体温以上の暑さに放り込まれて抜け出せへん毎日どした。
海外からのお客様はもう裸同然のお洋服・・・・。けど似合おたはります。足が長いしやろか。特に女性はタンクトップで紐の無いものもあってチェックアウトの時に目のやり場に困ってましたけどお客さまは平気やし、もううちも(私も)慣れてきましたえ。ほんで(そして)私の着物姿に驚愕の目を向けはります。
そらそうどすなぁ。暑い暑いのに浴衣と違ごて、着物はきちんと足袋も履かんとあかんし、お襦袢も着なあきまへん。帯も二重に巻いてるさかい、着ているうち本人もほんまに暑おすえ。特にお見送りは外まで出ますさかい、「おおきに・松井本館」のお見送り旗を持って、お客様のお姿が見えへんようになるまで通りに出て見送ってます。ジリジリジリ太陽がうちの顔を容赦なく照り付けはって、「ほんまにおおきに!!行き届かへん事あったんちゃうやろか?また、来てくりゃはるやろか?」等々、お客様の背中に聞いてます。
日傘欲しい、サンバイザー欲しい・・・なぁんて思てまへんえ。(笑)

今月は世界遺産以外でお客様がよく道順を聞かはる<御金神社>へ行きまひょか。二条城に行かはるお客様は先に地下鉄御池駅から東西線で二条城へ行かはって、その後、御池通りを東へ歩いてもらいます。西洞院通り迄出たら北へ上がります。二条城からは10分程どすなぁ。金色の鳥居が目印どす。
その金色を見たら皆様はすぐさま「黄金→小判→お金→宝くじ→当選!!」なぁんて簡略な構図を頭に中に描かはるので、長蛇の列となってます。
そんな言い方したら、御金神社様に叱られますけど、主祭神は金属や鉱山の神様として知られる「金山彦命(かなやまひこのみこと)」さまで、日本神話に出てきゃはる伊邪那岐(いざなぎ)さま・伊邪那美(いざなみ)さまの皇子に当たる神様どすなぁ。天照大御神(あまてらすおおみかみ)や月読命(つきよみのみこと)などの有名な神様も祀ったはります。もともとは個人のお宅の中にひっそりと祀られたはったんどすけど、1883年(明治16年)に社殿が創建され、金神様の愛称で親しまれ地域の人たちに参拝されるようになりました。

御金神社の一本東の通りには「釜座(かまんざ)通り」と言う名前の通りがあって、平安時代より鋳物職人である釜師が集まり、特権が与えられたはって茶釜の鋳造をしたはりました。
そのうえ、5本東へ行くと「両替町通り」があります。ほんで(それで)、この一帯は、かつて徳川家康により設けられた、「金座」と「銀座」があり、江戸幕府の金貨鋳造をしたはって各地の金銀細工業者がここら辺に集まったはりました。全て金にまつわるこの地どすなぁ。
当時にタイムスリップしたいうちどすけど、「金座・銀座」廃止後もようけの(多くの)の両替商が軒を連ねたはって流石の「両替町通り」どすな。

そんな場所にあるさかい金・銀・銅はじめ、あらゆる金属類、および鉱物や宝石などの鉱石を護ったはった事から今日に至るまで地域の氏神さまとして親しまれたはったと言う事どすなぁ。安易な事言ってかんにんどすえ。次に寄せてもろた時には、<福包み守り>を買いますさかい、そこにちゃんと宝くじ入れますえ!

なんのかんので、うちの(私の)本心は宝くじに当たりたい事?違います、違いますえ。ここのご神木の大銀杏が台風や酷暑でも頑張ったはる姿を見に来ただけどす!!
堀金さんとこがしゃはったこの鳥居も見たいし、ここらへん一帯の細道はうちの好きな道どすし、そうそう大好きなカヌレのお店も近いし。御池通りを横断して下へ(南へ)。直ぐに西洞院通りに面して宇治の小山園さんの直営店<丸久 茶房 元庵>があります。コーヒ―が苦手なお人さんや、今日は和菓子食べたいお人さんにお勧めどす。お抹茶も点てられるし京を感じてもらえます。
そこから真っ直ぐ歩いて<Here>さんへ。う~ん!カヌレは売り切れ!残念過ぎどす。そやったら、今回はエスプレッソのアフォガードをセレクト。バニラアイスに熱々のこってりした淹れ立てのエスプレッソを垂らすアフォガード!晩夏の、その上ゆっくりし過ぎたはる台風の変な暑さには、何とぴったりな甘くてビタ―な美味しさ!ベストチョイスどすなぁ。近辺で宝くじ売り場あったかなぁ・・・・。ふふふ

弥生 女将

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