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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

風にのり
聞こえる多言語
皐月床
(京都鴨川納涼床にて)

暑い寒いを繰り返しながら、爽やかな季節は今年も突然来ゃはりました。
桜が遅くて待ち焦がれ、やっと咲いたさかい慌てて桜を愛でにあちこちへ。うちは(私は)散り際も大好きやさかいもう少し待ってみて、最大の花吹雪まで待って待って木屋町通り迄見に行ったらもう新緑の世界になったはりました。残念どすぅ。先月詠んだ高瀬川の川面に浮かぶ、うちが名付けた<桜の花びら友禅>は何もなくて,清らかな水を湛えたはるだけどした。年と共に進む時間はほんまに早く、頭の中の時間は案外遅いと言う現実を突きつけられて持ち前のお気楽な感性だけは、活性化したはります。ふふ

気を取り直して今日は東へ東へと。先斗町まで20分程歩いて大好きな鴨川をぼんやりと・・・。
そうそう、うちの鴨川の一番お勧めロケーションは今出川の橋どす。この賀茂大橋は鴨川に掛かる橋の中では一番長ごうて(長くて)立派。この橋からは右見ても左見ても風光明媚。京に初めて来ゃはったお客様にこの橋からの景色を見てもろたら、なぁんとなく京の地理が分かって貰えるというか、はじめの一歩を感じてもらえるなぁと思てます。
北に向かって見てもらうと三角州が見えます。うちらは(私たちは)「出町デルタ」と呼んでますけど右手が高野川、左手は賀茂川どす。この二つが合流しゃはって鴨川にならはります。橋の正面には如意ヶ嶽が。うちのお誕生日の8月16日にはこの如意ヶ嶽に大文字の送り火が灯りますけど、うちが指示してる訳ではおへん(ないです)。お人さんも山盛りどすけど、大の字を間近で見るにはおすすめの場所どすえ。

話がそれましたけど、四条大橋からの眺めも大好きどす。この季節には禊川(賀茂川の西側の小さな川)に床(ゆかと呼びます)を出さはる<京都鴨川納涼床>と呼ばれる京の夏の風物詩のスタートどす。
歴史は古く江戸時代から始まるのどすけど最初は床几を出したはったそうどす。勿論今でも続いている祇園祭の御輿洗いもこの頃には始まっていたとか。鴨川の水でお神輿を清め1ケ月に及ぶお祭りの安全祈願を古から続いていたんどすなぁ。当時は「河原の涼み」と呼んだはったそうで明治には7月8月に賀茂川の両岸に床几を出し、三条大橋には既に河原から張り出した現在の床が出ていたそうどす。当時の鴨川はよう氾濫したさかい運河の開削やら京阪電車の延伸やらで東側の床は姿を消さはりました。その後、大正時代には床几が禁止され、治水工事で禊川が出来たんどす。うちの小学校の時代にはもう現在の姿になったはって、床の下にもぐって友達と禊川に足浸けて遊んでた懐かしい懐かしい記憶が蘇って来ます。
二条から五条までの飲食店100軒ほどが床を出さはりますけど、この5月の皐月床が一番お勧めどす。京の夏は暑すぎて座ってられへんさかい今やったら爽やかな風を感じながら美味しいお料理を堪能出来ますえ~。
ん?ようよう見たら外国人さんばっかり、座ったはります!!え?英語?何語どすやろ?多言語?・・・。ま、よろしおす。アウトドアはきっとお好きやと思います。皆さん楽しんでおくれやすぅ~。思わず手を振りそうになりました。

四条から歩いて歩いて御池通りを横切って、うちとこの売店で販売している玉露名人が大人気の<サロンドロワイヤル京都>さんのお店に。甘党のうちはやっぱり甘いもんでほっこり!お洒落な店内の奥にはちゃんと床がありました。爽やかな風を感じてボンボンショコラセットを。これにはブラックコーヒ―がぴったりどす。
もうちょっとチョコ食べたいのやけど・・・ふふふ

弥生 女将

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