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女将のひとりごと

今月のひとりごと -女将が日々を綴る-

女将 写真

足冷えや
応挙の鯉に
みぎひだり
(山科 毘沙門堂さんにて)

 

今年もまたまた夏から冬へ移行しゃはりました。
緊急事態宣言も解除され、町中は急に人も増えてTシャツから突然コートに衣替えの様相どす。
こうなると、寒がりのうちは夏が恋しゅうなります。
着物で言うと軽い絽から突然重たい袷になる感じどす。
普通は絽の次は単衣という裏地のない着物になるのどすけど
最近は夏が長いさかいいつまでも暑うてその次に急に寒くなって袷を着る感じどす。

今月は半ばも済んで紅葉には早いさかい、お人さんも居やはらへんと確信して
山科の毘沙門堂さんをご案内どす。
2011年もう10年前になります「そうだ京都行こう」でこの毘沙門堂さんが
TVのCMに出やはって、静かな静かな山科の高台にある毘沙門堂さんに行く細い道が人で溢れたそうどす。
立派な天台宗の門跡寺院もびっくりしゃはった事やと思います。
今は紅葉前やしひっそりしてて、ゆっくり拝観できますえ。

このお寺さんはお宝多くて、寝殿の襖絵はだまし絵みたいに見る角度によって
大きさや距離感が変わって見えます。
狩野探幽の養子さんの狩野益信の襖絵どす。
襖絵を十分楽しんだ後、次の寝殿の前に
大きな鯉がこっちを向いて泳いだはります。
これが有名な円山応挙の杉戸絵どす。
どの人もこの鯉の目と合います。
合ったら最後、この目と離れられずにどこまでも付いてきます。不思議どすなぁ。
うちは(私は)右へ行ったり左へ行ったりいろいろ動いても鯉と目が合ったまま。
円山応挙巨匠は凄いなぁ~つくづく思う作品どす。
しかも平坦な絹本などではなく木目がある杉の木に描かはるのやさかい大変やろなぁと感心ばかりどす。
お庭も素晴らしく来月後半になったらこの紅葉が色変わりしゃはるのやなぁと見ていたら、また来月も来たくなりました。

お寺さんから最寄りの駅は山科駅どす。
ぶらぶら歩いて20分くらい。
駅に着いたらパン好きなうちは勿論志津屋さんへ。
イートインも出来るさかい便利どす。うちはここのぶどうパンのトーストが大好き!
コーヒーとにぬき(ゆで卵)も付いてお値段も可愛おす。
ああ~足も冷えたしほっこりしましょ・・・。

弥生 女将

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